大譜表

 ピアノやハープ、マリンバなどは「右手は高音、左手は低音」といったように1人で広い音域をいっぺんに演奏することができます。この場合、五線では音域が全く足りません。

 そこで、高音部譜表と低音部譜表の2つを括弧で結合し、1つの楽譜として読む方法が取られています。

これを『大譜表』といいます。

ピアノの大譜表において、一般的に「高音部譜表は右手で、低音部譜表は左手で演奏する」と譜表を使用する手で区分されています。

譜表の一番左に、2つの譜表を結ぶように波括弧が表示されています。

ピアノで演奏する際、大譜表の下の五線を右手で弾く場合や、逆に大譜表の上の五線を左手で弾く場合があります。

その場合、演奏用語で『R.H.(m.d.)』もしくは『L.H.(m.s.またはm.g.)』と指定されます。

『R.H.(m.d.)』「右手で」を意味し、「Right Hand(イタリア語でmano destra)」の略称となります。

『L.H.(m.s.またはm.g.)』「左手で」を意味し、「Left Hand(イタリア語でmano sinistra, フランス語でmain gauche)」の略称となります。

 合唱曲も大譜表で表すことが多くあります。
1人で演奏することができるピアノなどと異なる、複数人で構成される大譜表は大括弧で括られます。

但し、総譜(スコア)では少々括弧の使い方が変わります。

ピアノやマリンバ、ハープなどは一人で演奏する大譜表として「波括弧」が使用されていますが、複数人で演奏する形態のこの大譜表では「角括弧」で表示されています。

スコア(総譜)になると括弧の使い方が変わりますが、それぞれの括弧が意味を持っていることに改めて着目してみましょう。