楽器店でスティックを買う時、注意しなければならないポイントが3つあります。
重量
打楽器専門店なら、スティック売り場に計量器が置いてある場合があります。
私の知っている範疇では、東京浅草の『Japan Percussion Center』や、大阪梅田の『三木楽器ドラムセンター』には計量器がありました。
知らない人にとっては「この計量器、何に使うんだ?」と思うはずですが、非常に重要な役割を持っています。
“同じメーカーの同じ型番のスティック”といっても、原料は人工物ではなく木材です。
自然で育った木であれば、当然ですが幹の隅から隅まで均等な密度になっているはずがありません。
幹から削り出した部分によっては、密度が濃いスティックが生まれたり、密度が薄いスティックが生まれたり、あるいは濃い部分と薄い部分がまだらに構成されたスティックが生まれたりもします。
そうなると、たとえ同じ材質・同じ型番・同じ長さ・同じ太さであるスティックであっても、異なる重量のものがたくさん出てきてしまうのです。
実際、いつも打楽器専門店で同じ型番のスティックを全て1本ずつ計量するのですが、ものによっては15gも差が発生することがあります。
左手で持つスティックと右手で持つスティックでは、出来る限り1gも差を生むべきではありません。
それを考えると、15gは致命的にもほどがあります。
何気なくペアとして販売されていても、重量が10gほど異なる組み合わせになっていることもありますので、神経質になっておくに越したことはありません。
この点において、正規の打楽器オンラインショップで販売されているものを購入するのはアリです。
専門の人が選定したペアを発送してくれることがほとんどなので、ハズレを引く確率は低いです(ゼロである保証までは出来ませんが)。
「自分で買いに行けるところでは計量出来ない…」
「そんなにじっくり選定している時間がない…」
そんな時、欲しい型番が分かっていさえすれば、いっそオンラインで注文する方が良いかもしれません。
私は今のところハズレたことはありません。
まっすぐであるか
これも非常に重要なのに、見落とされがちなポイントです。
同じ型番スティックであっても、平らな場所で1本ずつコロコロと転がすと、衝撃的な現象がよく起きます。
綺麗に真っ直ぐなものは、ムラなく一定速度で真横へ綺麗に転がります。
転がる音も「コロコロコロ…」と均等に同じ音が鳴り続けます。
軽いチカラで転がしてもなかなか速度が落ちにくく、まるでブレーキのない車輪のようです。
ところが、「コロンッコロンッコロンッ」と一回転する間に加速と減速が繰り返されてしまうスティックが多く混ざっています。
これはスティックが歪曲している証拠になります。
また、真っ直ぐ転がらず、徐々に手前か奥へ向かって弧を描くように転がるスティックもあります。
これはスティックの根元側もしくは先端側のどちらか一方が歪曲しているか、重量がどちらかに偏っている証拠になります。
スティックを販売している場所で、スティックを実際に転がすのは出来ないことが多いかと思います。
流石に購入していない商品を床で転がすのは良くないですから、専用の平らな台でもないと出来ません。
そんな時でもチェックする方法が、2つあります。
- 2本のスティックをピッタリくっつけたまま、1本だけクルクル回す。
スティック同士の間に隙間がわずかにでも生まれたら、どちらかorどちらも歪んでいる。
(天井の照明に向けてクルクルすれば、隙間が生まれた場合スティックの間から光が差す) - 1本だけ手に取り、根本を目の前に置き、先端を真正面へ向ける。(視界にはスティック全体が根本に隠れ、根本しか見えてない状態)
その状態で根本を持ってクルクルゆっくり回し、回した地点によって見えたり見えなかったりする箇所がないかチェックする。(真っ直ぐであれば、いくら回しても終始根本しか見えないはず)
慣れないと見極めるのが大変ですが、知らず知らずのうちに悪影響を及ぼしてしまう要素なので、必ず確認をするようにしましょう。
同じ音の高さか
同じ重量・真っ直ぐなスティックのペアを選定できたとしても、そこでチェックは終わりではありません。
もうひとつ、必ず確認しておかなければならないポイントがあります。
同じ型番のスティックであっても、密度が濃かったり薄かったりすると述べました。
それはつまり、たとえ同じ大きさ・同じ重量であっても、密度が全く異なるスティック同士となってしまう可能性があるということです。
密度が異なるスティック同士だとどんな問題が発生するか?
それは、右手と左手で鳴る音の高さが違うという点です。
「右手と左手で鳴る音の高さが違う」と、いくら技術的に完璧な演奏が出来ても、音の高低が生まれてしまうせいで綺麗に聞こえることがありません。
スティックの音を聞き分ける方法は以下の通りになります。
- スティックを持ってチップ先を耳元に軽く当てます。
その状態で、爪でスティックをトントン叩いてください。
スティックによって聞こえる音の高さが違いますので、同じ型番の中で同じ音がするものを選びましょう。
まとめ
同じ重量のペアを選ぶ
真っ直ぐなスティックを選ぶ
同じ音の高さのペアを選ぶ
以上3つのポイントを押さえてスティックを選定しようとすると、ピッタリ該当するペアが無いことがよくあります。
そんな時でも、妥協はしないようにしましょう。
「今回は良いスティックに巡り逢えなかった」と潔く諦め、別のお店へ探しに行くか、オンラインで購入するのがオススメです。
どんなに血の滲む練習をしても、スティック選びを失敗しただけで演奏を批判されるなんて、誰だって嫌だと思います。
出来る限り妥協せず、最高のペアを見つけるようにしてください。